脳卒中の定義
脳卒中とは下に示す原因、症状、時間の3条件のすべてがあてはまる状態に対してつけられた病名である。
1 原因:脳の血管障害
2 症状:広汎又は局所の神経障害
3 時間:突然起きて24時間以上持続
1 原因
脳の血管障害の意味は、脳の血管がつまったり破れたりする状態を指す。
てんかん発作、脳炎、血液疾患(白血病、多血症、血液凝固異常を示すもの)、脳腫瘍、外傷など脳の血管障害以外の原因で2、3を満たしても「脳卒中」には含めない。
2 症状
広汎な神経障害とは、くも膜下出血による症状(意識障害、混迷、頭痛)または昏睡など強い意識障害を指す。
また局所の神経障害とは、脳卒中の代表的な症状として下記のAにあてはまるものを指す。
下記のBは脳卒中の際にもみられる場合があるが、脳卒中以外の多くの病気でも共通することから単独では「脳卒中」とみなさない。
A 脳卒中の局所神経症状と考えてよいもの
運動障害(単まひ、片まひ、四肢まひ)、感覚障害(半身、交代性)、失語、失行、失認、半盲、複視、共同偏視、嚥下障害、失調
B 局所神経症状としては除外するもの
局所の頭痛のみ、めまいのみ、構音障害のみ、注意力低下・意識障害・混迷のみ、てんかん発作のみを症状として呈した場合は「脳卒中」の症状とはみなさない。
3 時間
24時間以上の症状の持続は、上記1、2を満たして24時間以内に死亡したものも「脳卒中」に含む。
脳卒中の種類
脳卒中には出血する病気と血管が詰まって起きる病気があり、治療法は正反対になる。脳卒中は単一の病気ではなく、次のとおり分類される。
出血性脳卒中
脳出血、くも膜下出血
虚血性脳卒中
脳梗塞(塞栓症、血栓症)
血管が破れて脳卒中を起こすものを出血性脳卒中、血管が詰まって脳卒中を起こすものを虚血性脳卒中という。出血性脳卒中を起こすものは脳出血とくも膜下出血であり、虚血性脳卒中を起こす病気は脳梗塞である。