ダイエットとケトン体の関係
炭水化物ダイエットは今ではダイエット方法の主流の一つです。
炭水化物は、糖質と食物繊維からなります。エネルギー源の主流となる糖質を多く含み、エネルギーとして使われない糖質は、脂肪として体に蓄えられ、いわゆる「太る」ことになります。
したがって、太ることを防ぐためには、必要以上の炭水化物を摂らなければよく、その方法として炭水化物の多いごはん、パン、麺類、イモ類、甘いお菓子など控えれば、体に蓄える脂肪の素を摂らないことから、太りにくい、というわけです。
そして、太らないだけでなく、痩せるメカニズムに「ケトン体」が関係します。
人が動くためには、また心臓や臓器などを動かすためには、エネルギー源が必要です。普段は炭水化物から得られる糖質をエネルギーにしているのですが、これが足りなくなると、エネルギー源を確保するために、体に蓄えられた脂肪が使われます。
肝臓は脂肪を分解し、脂肪酸が生成されます。ケトン体はこの脂肪酸から合成された成分であり、心臓や腎臓などの各種臓器のエネルギー源となります。
まとめとして、炭水化物ダイエットにより不足したエネルギー源を補うため、体内の脂肪からケトン体が生成されてエネルギー源になることで、体内の脂肪が減っていく、というしくみです。
アルツハイマー改善とケトン体の関係
アルツハイマー病による認知症状の改善にココナッツオイルが注目されています。
ココナッツオイルの主成分の中鎖脂肪酸からできる物質、ケトン体に着目した食事療法を米国人医師が提唱しているものですが、アメリカのある夫婦でアルツハイマーになった夫の食事に、ココナッツオイルをかける等して長期間にわたり摂取させたところ、アルツハイマー病の症状が改善しました。
脳のエネルギー源はブドウ糖(糖質が分解されたもの)ですが、アルツハイマー病は、脳がエネルギー源のブドウ糖をうまく利用できなくなることにより、脳の機能が低下していく病気でもあります。
この脳のエネルギー源をケトン体が担うことにより、脳の機能が回復し、アルツハイマー病の症状が改善しているものと考えられており、現在研究が進められています。
ケトン体は、今まで聞きなれていない成分ですが、これからの生活の中で重要な位置づけとなっていきそうです。