花粉症とは
花粉症とは、目や鼻、喉から体の中に入ってくるスギやヒノキなどのアレルゲンによって体内にIgE抗体という物質が作られ肥満細胞の表面に付着し、再度侵入してきた花粉がIgE抗体と結合して肥満細胞からヒスタミンなどが分泌されて、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどのアレルギー症状を招く病気です。
舌下免疫療法の開発
スギ花粉症の新たな治療方法として普及し始めている「舌下免疫療法」は、アレルギー症状の原因となるアレルゲン(スギ花粉)を少量から患者に投与することで体をアレルゲンに馴らしてアレルギー症状を和らげる方法を、舌下に薬を垂らして行うというものです。2014年には新薬の「シダトレン」(鳥居薬品)が発売され公的医療保険も適用されています。
舌下免疫療法の治療期間等について
シダトレンによる舌下免疫療法の開始時期は、スギ花粉が飛散しなくなってからです。初めの2週間で徐々に投与量を増やしていき、3週目以降は毎日自宅で投薬を続けます。これを最低でも2年間、通常は3~5年間続けます。
舌下免疫療法の効果について
この治療効果としては臨床試験で約8割の患者のアレルギー症状が和らいでいます。このうち、第1シーズン目で花粉症の症状が消えた患者は2.3%、第2シーズン目に花粉症の症状が消えた患者は17.0%となっています。
舌下免疫療法の副作用について
副作用としては、口の中のかゆみ、唇の腫れ、喉のかゆみ、頭痛などがあります。重篤な症状としてはアナフィキラシーショックが見られたほか、約2割の患者には治療効果が見られなかったとのことです。