白血病の種類
白血病は、血液の若い細胞がガン化し、主に骨髄や血液中で増えてしまう病気である。
血液には白血球、赤血球、血小板が含まれているが、これらを作る造血幹細胞の成長段階の細胞がガン化しえ白血病細部になり増殖して骨髄を占拠し、正常な血液細胞が作られなくなる。さらに肝臓、脾臓、リンパ節などに浸潤すると命にかかわる多臓器不全を引き起こすことになる。
日本人の白血病患者の割合
白血病には慢性と急性に大別され、ガン化した細胞のタイプによって骨髄性、リンパ性に分けられる。
日本人の白血病の割合は次のとおり
・急性骨髄性白血病 約50%
・急性リンパ性白血病 約25%
・慢性骨髄性白血病 約20%
・慢性リンパ性白血病 約2%
白血病になりやすい人
高齢者に多い。生活習慣や性別、遺伝は発症にはほとんど関係ないようである。
白血病のタイプ別特徴
急性白血病
白血病細胞が時間単位で増殖。急速に正常な血球産生ができなくなり早期に臓器浸潤が始まる場合がある。
急性骨髄性白血病
上記の現象により次の症状が現れる。
・白血球減少…抵抗力が衰えて風は肺炎などの感染症にかかりやすくなる。
・赤血球減少…めまいや疲労感、息切れ、動機といった貧血の症状が現れる。
・血小板減少…出血が止まりに食うkなり、皮膚のあざ、華字、歯茎からの出血などが起こる。
急性リンパ性白血病
急性骨髄性白血病によく似ているが、小児白血病の多くがリンパ性である。
慢性白血病
初期は病気の振興が穏やかで、血液検査を受けなければ発見できないことも少なくない。ただし、骨髄性とリンパ性で病態は大きく異なる。
慢性骨髄性白血病
40歳以上が発症しやすい。内臓が大きく晴れて腹部が張ってくる。治療しないでいると数年後に急性白血病に移行する。
慢性リンパ性白血病
特に高齢者に多い傾向がある。進行がとてもゆるやかであることから積極的な治療hあ行わず、症状が現れるまでは無治療で経過観察とすることも少なくない。
白血病の検査
多くは血液検査で診断がつく。貧血や血小板減少、白血球の異常や白血病細胞の出現が見られる。
骨髄検査
少量の骨髄液を局所麻酔で採取。白血病検査では必須。10分程度で終了。
染色体検査
骨髄や血液検査で得られた白血病細胞の染色体異常を検査する。慢性骨髄性白血病ではフィラデルフィア染色体という特徴的な染色体異常が見られる。
遺伝子検査
白血病細胞の遺伝子を分析して白血病のタイプを確定させる。
白血病の治療方針
白血病のタイプや症状により様々であるが抗がん剤による治療が基本となる。
慢性骨髄性白血病
以前は造血幹細胞移植(骨髄移植)が唯一の治療法であったが、2001年にイマニチブという分子標的薬が登場してからは薬で進行を抑えられるようになった。これは、特定の分子の身に作用する薬で白血病細胞の働きを抑制する効果がある。
これまでは薬を飲み続ける必要があると考えられていたが、薬をやめても治る場合もあることがわかっている。
急性骨髄性白血病
白血病細胞を根絶して正常な血液細胞を復活させる。抗がん剤による治療は寛解導入方法と地固め療法の2段階で行う。
寛解導入方法
抗がん剤を7~10日間投与。骨髄中の白血病細胞が5%以下まで減少し性状の血液を造る機能が回復した状態を完全寛解という。
地固め療法
完全寛解状態になった後、寛解地固め療法を行う。再発しないように可能な限り白血病細胞を減らすための抗がん剤治療を続けていく。
抗がん剤の副作用は食欲不振、脱毛、便秘、下痢、吐き気やおう吐などがあるが、現れ方には個人差がある。
抗がん剤治療で完治できない場合
造血幹細胞移植を検討する。以前は骨髄からしか採取できなかったが、現在は血液中や臍帯血からでも採取できるようになった。ただし、移植できる造血幹細胞はHLAという白血球の型が一致しているドナーのものだけであり、ドナーは血縁者、骨髄バンクから探す流れが一般的である。