緑内障の症状
緑内障のなかで多い「開放隅角緑内障」は10~15年かけて少しずつ進行する。
人間は両目で見ているため、片方の視野に見えない部分があっても気づきにくく、初期の状態ではなおさら気づかないことが多い。このことから、緑内障を見つけるには、定期的に視野検査を行い、視野の狭まり具合が進行していないかを調べることが重要である。
一方で、急激に症状が現れ一気に進行する緑内障もある。
「閉塞隅角緑内障」という房水の排水溝が急にふさがって眼圧が急激に上がり、目が痛み、充血し、かすんで見えるほか、頭痛や吐き気を伴う急性発作が起こり、処置が遅れると一夜で失明することもある緑内障もある。
初期
視野の一部に異常があるが、視野の端のほうだったり、範囲が小さい。
中期
見えにくいところが出てくるが、自覚症状がない場合もある。老眼になりかけの年齢に差し掛かっているため、発見が遅れがち。
後期
視神経の40~50%が傷ついてくると、中心に近い部分身も見えないところが出てくる。内側(鼻側)から視野が狭くなり、文字の一部が欠けて見えたり、テレビで見えない部分が出てきたりする。
緑内障の治療
薬物治療
緑内障治療は症状の進行を抑えることが目標であり、眼圧をできるだけ下げる治療となる。その方法として、初めは点眼薬による治療が一般的である。通常は1種類の点眼薬から始め、効果がない場合は薬を変更したり、数種類の薬を併せて使ったり、内服薬を使うこともある。
正しい点眼薬の指し方
1回の点眼は1滴
2滴以上だと目の外に流れたり目の周りについてしまう。
点眼したら静かに目を閉じて1~2分そのままに
点眼薬を目の外にこぼさず薬が吸収されるのを待つ。
2種類以上の点眼薬を指すときは、5分以上間隔をあける
続けてさすと、薬が眼からあふれたり混ざったりして、十分な効果かえられなくなる。
レーザー手術・外科的手術
薬で眼圧を十分に下げることができない場合には、レーザー手術やがけ的手術で房水の流れを良くして眼圧を下げる。なお、眼圧が下がっても視野は回復するわけではなく、緑内障の進行を抑えるための方法である。
レーザー手術
房水の排水口である、網の目状の繊維柱帯にレーザー光を当てて、目詰まりを減らす。治療は入院しなくても行えるが十分な治療効果が出ない場合もある。また手術後時間がたつと効果がなくなってくることもある。
外科的手術
目づなりを起こした房水の排水口を部分的に取り除いたり、切込みを入れたりして房水の流れを良くする方法。1~2週間の入院が必要。
緑内障Q&A
Q 目を使いすぎたり細かいものをたくさん見ると緑内障は進行しやすくなるか。
A 緑内障の種類による。閉塞隅角緑内障では細かいものを見続ける作業を行うと眼圧が上がり、発作を起こしやすくなるが、原発開放隅角緑内障では気にする必要はない。
Q タバコは緑内障に悪影響を及ぼすか。
A 緑内障だからどうこうということはないが、一般的に神経に良い影響はないのでやめたほうが良い。
Q 生活で眼圧が上がらないための注意点はあるか。
A 普通の生活のままでよい。ただし、ネクタイで首をキツク締めすぎたり、逆立ちして頭を下にしたり、力んで頭に血が上るようなことをすると眼圧が高くなるので注意すること。
Q 水分や酒を控える必要はあるか。
A 空腹時に短時間で大量に摂取しなければ特に控える必要はない。
Q 片方の目が緑内障になると、もう片方の目も緑内障になるか。
A 影響があると考えたほうがよい。原発性の緑内障(原因のわからない緑内障)は両目に起こる病気であり、左右の目の進行具合を見ながら良いほうの目を大事にする心がけが必要。閉塞隅角緑内障で片目に発作を起こしている場合も、もう片方の目に発作を防ぐ治療をすることが大切である。なお、続発性の緑内障(病気や怪我、薬が原因で起こる緑内障)では、片目、両目それぞれの場合がある。
Q 胃薬、風邪薬を飲んでも大丈夫か。
A 開放隅角緑内障の場合は大丈夫である。閉塞隅角緑内障の場合は多くの薬に注意が必要だが、きちんと治療を行っていればほとんど問題ない。気になる場合は主治医に相談すること。
Q 緑内障は遺伝するか。
A 遺伝性のある緑内障は、非常にまれである。血縁者に緑内障の者が2人以上いなければ、特に気にする必要はない。
Q 高血圧だと眼圧も高くなるか。
A 血圧と眼圧に高さに関係はない。たまに、一時的なショックの場合に血圧が上がるときに眼圧もつられて上がることがある。なお、高血圧になるような生活習慣は、眼圧も高くするという報告もあるため、規則正しい生活を心がける。
参考情報 眼の病気、トラブル情報まとめサイト