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前立腺がんの治療法

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前立腺がんの治療法

主に「放射線療法」「手術療法」「ホルモン療法」の3つがあり、がんの悪性度や状況に応じてこれらの治療を行う。

前立腺がんの病期

前立腺がんは4つの病期(ステージ)に分けられる。

病期A

前立腺肥大症をはじめとする良性病変であり、前立腺内部にがんがとどまっている状態。
症状はなく、無治療経過観察、ホルモン療法、手術療法、放射線療法のいずれかまたは組み合わせる。
根治的治療が可能。

病期B

がんが前立腺のなかに限局している状態。症状がないことも多く、治療によって根治できる可能性も高い。
ホルモン療法、手術療法、放射線療法のいずれかまたは組み合わせる。

病期C

がんが前立腺の外まで広がっているものの転移していない状態。ただし、精嚢や膀胱に浸潤している場合もある。
排尿困難、血尿の症状が出ることがある。
ホルモン療法、放射線療法のいずれかまたは組み合わせるが、ホルモン療法でがんが縮小すると手術療法の場合あり。

病期D

がんがリンパ節、骨、肺、肝臓などの臓器にも転移した状態。
排尿困難、転移部の痛み、倦怠感、体重減少などの症状が出ることが多い。
ホルモン療法を中心に放射線療法、化学療法を行う場合がある。
(以上、日本泌尿器科学会の分類)

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前立腺がんの各治療法の内容

無治療経過観察

がんの悪性度が低いなど、すぐに体を悪影響を及ぼさない場合には経過観察を行う。PSA監視療法とも呼ばれます。

放射線療法

体への負担が少ない療法であり、「外部照射」という体の外から放射線をあてる治療法と、「小線源治療」という体の中に放射線源を入れ、中から放射線をあてる治療法がある。

「外部照射」
高エネルギーの放射線を体外から前立腺に当ててがん細胞を殺す方法で、週に3~5回を6~8週間かけて行う。
副作用は皮膚炎、頻尿、排尿痛、下痢、下血、倦怠感など。時間が経つと改善する。
「小線源治療」
前立腺の中に直接放射性物質を埋め込んで治療を行う方法で、病気B(がんが前立腺の中に限局している状況)のみ適用される。

手術療法

「根治的前立腺摘除術」といい、手術で前立腺と精のうを摘出し、膀胱と尿道を縫ってつなぐ方法。
開腹手術のほか腹腔鏡手術などで行う。手術時間は3~4時間、開腹の場合には2~3週間程度入院する。
副作用は、前立腺わきの勃起に関係する神経を切らなければならないと勃起障害(ED)になる。切らなくても勃起不全になることもある。また尿失禁があるが、通常は1年以内に改善する。このほか、腹圧性尿失禁や、リンパ節郭清を行うと下肢がむくむ。

ホルモン療法

前立腺がんを増殖させる働きがあるテストステロンという男性ホルモンを減少させ、前立腺の細胞に男性ホルモンの影響が及ばないようにして、がんを縮小、一部示すさせる方法。
ほとんどの前立腺がんで有効で基本的な方法。ホルモン療法には「精巣摘除術」「LH-RHアナログ」「抗男性ホルモン剤」「女性ホルモン剤」など種類があり組み合わせる場合もある。
「精巣摘除術」
精巣を両側摘出する方法。3~7日入院する。
副作用は、性欲減退、勃起障害(ED)、体がほてるなど。

「LH-RHアナログ」
視床下部から分泌されるLH-RHというホルモンが男性ホルモンであるテストステロンの合成を促すが、これを体外から大量に与えると、逆にテストステロンの合成を抑制できるという方法。4週間に一回外来で注射を行う。
副作用は治療開始直後は一時的に男性ホルモンの増加に伴う、排尿困難、骨転移部の痛みなど。抗男性ホルモン剤を併用する場合がある。長期的には性欲減退、勃起障害、女性化現象など。

「抗男性ホルモン剤」
精巣および副腎で作られる男性ホルモンの作用を抑える。
副作用は勃起障害、悪心、嘔吐、肝障害、女性化乳房など。

「女性ホルモン剤」
女性ホルモン(エストロゲン)を投与し精巣を刺激するホルモンを押さえる。
副作用は、乳房の腫大、疼痛のような女性化現象、浮腫、胃部不快感、嘔気、血栓症、心臓発作(心疾患の人)。

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