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ステロイド剤の副作用と対処法

      2015/12/11

ステロイド剤は強い抗炎症作用と免疫抑制作用をあわせもつ唯一の薬剤である。しかし一方で・・・

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糖代謝、脂質代謝、電解質代謝などにも影響を与えるほか、造血系、神経系、循環器系、消化器系、内分泌系、結合組織系にも広く作用するため、長期連用はさまざま弊害をもたらすことがある。

軽症副作用(ムーンフェイス、皮膚の症状など)、重症副作用(感染症、糖尿病、消化器潰瘍、骨粗鬆症、無菌性骨壊死、筋委縮、精神異常、高血圧、高脂血症、白内障、緑内障)について説明する。

 

軽症副作用

次の副作用は生命に悪影響を及ぼすわけではないことから、ステロイド剤を減らしたり中断することはせず、少しの辛抱が必要。
・顔が丸くなってくる(ムーンフェイス、満月様顔貌)。・・・対処法:食べ過ぎに注意
・顔や体は太って丸くなるが、手足は細くなる(中新世肥満)。
・ニキビが多くなる。
・毛が濃くなる(多毛)。
・肥満が急激に起こるため皮下脂肪が断裂し、下腹部や足などの皮膚に筋が入る(皮膚線条)。・・・対処法:食べ過ぎに注意
・皮膚が薄くなる。
・血管壁が弱くなり、あざができやすくなる。

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重症副作用

ステロイド剤の副作用には、生命に影響を及ぼしたり臓器障害を起こすものがある。これらは重症副作用と呼ばれ、ステロイド剤を減量する必要がある。

感染症 (ステロイド薬の重症副作用 1/10)

ステロイドが多角白血球やリンパ球の機能を低下させることが原因。この場合、本来は悪影響のないような毒力の弱い病原体が感染症を起こす。
ステロイド剤の使用量が多いときは入院して治療することが多い。

注意点
・外出時はマスクをして、人混みをさける。
・肺炎リスクを減らすため、真菌による肺炎の危険性がある場合は、ST合材という薬を内服する。高齢者の場合は肺炎球菌ワクチンを接種する。
・結核になったことがある場合は、抗結核薬を併用する。

糖尿病 (ステロイド剤の重症副作用 2/10)

ステロイド剤が糖代謝に作用することにより、糖尿病が誘発さrたり悪化することがある。ステロイド剤服用中には、尿糖の有無を定期的に調べ、血糖値を調べることも必要となる。

糖尿病治療中の留意点
・食事療法(カロリー制限)をする。
・血糖値が上昇する場合は、一時的にインスリン注射をする場合がある。

親が糖尿病患者の場合の留意点
・遺伝性が強く糖尿病になりやすい可能性があるため、定期的な血液検査やカロリー制限、運動が大切である。

上記の場合以外でも、糖分の摂り過ぎに注意した食事、適度な運動をしてカロリー消費に努めることが大切である。

消化性潰瘍 (ステロイド剤の重症副作用 3/10)

ステロイド剤は胃液を酸性に傾け、消化酵素の量を増加させるほか、胃粘膜保護作用のあるムチンを減少させることから、ステロイド剤の連用により胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったり悪化することがある。
あまり症状が強く出ないために、大量の吐血や下血で初めて判明することもある。

早期発見のために
ステロイド剤の服用中に胸焼け、食欲不振、胃痛などが出た場合は、検便をして潜血反応をみて、反応があれば内視鏡検査により消化性潰瘍の有無を調べる。時々貧血検査をして、原因不明の貧血がある場合は内視鏡検査を行う。

消化性潰瘍を防ぐには
胃粘膜を保護する薬剤や、胃酸分泌を抑える薬剤の併用により、消化性潰瘍を防ぐことができる。

骨粗鬆症 (ステロイド剤の重症副作用 4/10)

ステロイド薬を大量に服用していると、どうしても骨粗鬆症が起こってくる。このため、激しい運動はできず、転ばないように注意することが必要となる。

骨量検査により骨粗鬆症と診断された場合は
・カルシウムを十分に摂取する。
・日光に当たる。
・適度に運動する。高齢者の場合は寝たきりにならないように、太もも前川の筋肉の強化のため、大腿四頭筋の運動を日課にする。
・ステロイド誘発骨粗鬆症に有効な薬を服用する。

無菌性骨壊死 (ステロイド剤の重症副作用 5/10)

ステロイド剤を大量に服用している間に股関節が痛くなってきたら、大腿骨頭壊死を疑う必要がある。
ステロイド剤を服用していると、高脂血症によって血管に脂肪の塊が詰まりやすくなり、血管の少ない大腿骨の頭の部分に栄養が送られなくなることで、この部分が壊死すると考えられている。骨壊死は膝などに起こることもある。

骨壊死の早期発見の方法
・MRIによりかなり早期からの発見が可能

骨壊死の予防法
・血液検査でコレステロール値が高くなれば、高脂血症用薬を併用する。

骨壊死になった場合の対処
・早期の場合は、杖歩行により進行の防止に努める。
・骨頭が破壊されている場合は、人工関節置換術を行う。

筋委縮 (ステロイド剤の重症副作用 6/10)

ステロイド剤を大量かつ長期に服用していると、筋肉が委縮してくる。特に手足でも体に近い部分に起こりやすく、立ち上がりにくいなどの症状が出る。筋委縮信仰が急激な場合は、可能な限りステロイド剤を徐々に減らすことになる。

筋委縮の予防
次のように筋肉に適度の負荷をかける。
・病棟内を散歩する。(医師の許可を得てから)
・ベッドに横になったままでも、関節を曲げずに筋肉に力を入れる運動(等尺運動)をする。

精神症状 (ステロイド剤の重症副作用 7/10)

ステロイド剤の服用量が多いと、イライラしたり、眠れないなどの症状が起こる場合があるほか、まれに、うつ状態や錯乱状態になることもある。

対処法
・睡眠導入剤、抗不安薬を服用する。
・夜に服用するステロイド剤を減らし、朝や昼の服用を多くする。
・うつの状態が起こるようであれば、心療内科にかかるなど、専門的な治療をする。

高血圧 (ステロイド剤の重症副作用 8/10)

ステロイド薬は体に塩分をためる働きがあり、長期に服用していると高血圧になる場合がある。したがって、自宅でも自分で血圧を測定することが大切であり、高血圧でなくとも塩分制限をすることが望ましく、高血圧の状態によっては降圧剤の服用が必要になる。

高脂血症 (ステロイド剤の重症副作用 9/10)

ステロイド剤の服用中には血清中のコレステロールや中性脂肪が増加しやすくなるほか、脂肪肝も起こりやすくなる。このような症状が続くと、動脈硬化が起こり、心筋梗塞、脳梗塞の原因になることから注意が必要である。

高脂血症になった場合の対応
・禁煙
・適度の運動
・食事制限・・・脂肪、卵類の摂りすぎに注意し、肉類より魚類、野菜を多めにとり、糖分、お酒も控える。

白内障、緑内障 (ステロイド剤の重症副作用 10/10)

ステロイド剤の長期連用により、水晶体が濁る白内障や、眼圧が上がることにより緑内障を起こすことがある。
白内障の場合は、眼鏡の度が合わなくなったり、まぶしさを感じるようになり、進行すると視力低下が起こる。緑内障の場合は、急に起こると頭痛や吐き気がおこる。慢性の場合には視野欠損で見つかることもある。

ステロイド白内障の対応
・軽い場合は点眼薬で様子を見る
・進行した場合は眼内レンズ(人工水晶体)を入れる手術を行う。

ステロイド緑内障の対応
・眼圧を下げるための点眼薬を使用する。場合によっては内服薬を併用する。
・ステロイド剤の漸減を可能な限り行う。

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